2015年4月
日本英語学会は、1983年11月に上智大学において設立大会を開催して以来、2014年度で創立32周年を迎えました。本学会は、英語の共時的・通時的研究及び言語理論の進歩・発展に寄与することを目的に設立され、全国大会開催、ならびに機関誌、会報誌の発行を行ってきました。発足当時の会員数は約780名でしたが、現在は約1,400名となっております。
本学会はこれまで4つの柱、すなわち、「学会活動・運営の充実化」「国際化」「電子化」「顕彰制度の充実化」を中心に、発展と活性化を図ってきました。まず、「学会活動・運営の充実化」については、大会関係においてConference Handbookの発行(1988年度)、ワークショップの導入(1991年度)、大会予稿集JELSの刊行(1995年度)、スチューデント・ワークショップの導入(2002年度)、国際春季フォーラムの開催(2008年度)を行いました。また、学会誌English Linguistics(EL)関係では、年1回から年2回の発行(1999年度)とし、Editorial Advisory Boardとして約40名の海外研究者を導入(2002年度)しました。そして、委員会関係では、従来の編集委員会、大会運営委員会に加えて、広報委員会(2009年度)および学会賞委員会(2011年度)を設置しました。この他、研究活動の不正行為等防止に関するガイドラインと情報管理規定を策定(2014年度)し、不正行為等の防止と、学会活動・運営や各種規定等に関連する情報の管理強化に努めました。また、1999年度に開設されたホームページを全面的にリニューアル(2015年度)し、EL・JELS等の機関誌や国際春季フォーラム・秋季大会等に関連する情報の充実化を図るとともに、本学会のグローバル化と会員による研究成果の海外発信強化のために英語版を新たに作成しました。
また、「国際化」については、国際春季フォーラムの開催(2008年度)に加え、韓国英語学会との交流協定の調印(2012年度)を行いました。国際春季フォーラムは当初は若手研究者の育成を目的の1つとして小規模の開催をしておりましたが回を重ねるごとに国際学会として整備されてきています。また、韓国英語学会との交流協定により、双方の学会に研究者を招聘することに加え、双方の学会員は、お互いの学会での研究発表への応募、ならびに学会誌への投稿が可能となりました。
さらに、「電子化」については、会員の研究活動の推進と研究成果の海外発信を図るために、従来の学会誌ELと併せてCD-ROM版の配布(2004年度)、発行後4年を経た学会誌ELのバックナンバー(第1巻から第22巻第1号)のアーカイブ化と電子公開(2009年度)を行いました。このアーカイブ化等の作業はその後も継続的に行っています。なお、2013年度より発行後2年を経たELのバックナンバーをアーカイブ化し、公開するとともに、従来の紙媒体のJELSをCD-ROM版化しました。また、研究成果の発表においても、従来の紙媒体による応募から電子版応募(ホームページからダウンロードして必要事項を記入した研究発表用紙の電子ファイルと、PDFあるいはWordファイル化した発表内容を電子メールで送信する)に移行(2007年度)しました。同様に、ELの論文投稿についても、投稿論文はすべて電子版で応募することになり、加えて査読結果の通知や修正論文の再投稿等もすべて電子メールで行うことを導入(2007年度)しました。さらに、新人賞の応募についても電子版応募の実施(2008年)を開始しました。
最後に、「顕彰制度の充実化」については、若手研究者や中堅研究者の育成と研究活動の育成・促進を図るために、日本英語学会新人賞(2003年度)、日本英語学会賞の設置(2008年度)、EL研究奨励賞の設置(2010年度)を行いました。また、本学会への功労者を顕彰するために、日本英語学会特別賞の設置(2003年度)、日本英語学会特別功労賞の設置(2007年度)を行いました。その後、日本英語学会新人賞と日本英語学会賞の見直しを行い、応募規定を改訂した日本英語学会新人賞、日本英語学会賞(著書)、日本英語学会賞(論文)の設置(2010年度)をしました。なお、EL研究奨励賞という名称はEL論文賞に変更(2014年度)しました。また、年次大会において優秀な発表を行った会員を顕彰するために優秀発表賞を設置(2015年度)しました。さらに、同様の趣旨で、国際春季フォーラムにおいてもこの優秀発表賞を導入(2016年度)することが決定しています。
このように、本学会はこの30年以上に渡って、発展と活性化に向けて「学会活動・運営の充実化」「国際化」「電子化」「顕彰制度の充実化」を図ってきました。今後も本学会は、会員の皆様の研究を促進し、支援するために、そして同時に、本学会のさらなる発展を目指して、種々の施策や学会運営を行うよう努めて参ります。